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5/20更新 最新記事はこちら!

またまだ大ボリュームの記事。悩み抜き、考え抜いて書きました。葛藤と苦悩の軌跡、ご覧あれ。


こんにちは~!
5月になりました。本当は、そろそろコミティアのレポートを書こうと思っていたのですが……。


コミティア


全年齢版がようやく完成したことで「できること」が増え、ここ最近は急激にいろいろな動きが重なって大忙しになっているのです。

実はこれ、ひとつひとつがなかなかのビッグニュースなので、時期が来たものから順次このブログでも取り上げていきますね。






【ノナプルナイン、Entyに登録!】

炎帝


今回の話題は……“Enty”というサービスへの登録についてです。

画像をふんだんに使った、かなり贅沢なページを作ってみました!

コミティアでリリースされた全年齢版も、一足お先にこちらからダウンロードできますよ~。



【Enty:ノナプルナイン】






【Entyって何ぞや?】

Entyは、クリエイターがパトロンやサポーターを募るためのサービスです。
最近、同人界隈でも何かと話題になっている、月額ベースで支援者を募るというアレですね。


詳しい説明は、こちらをご参照ください。

【Entyとは?】
https://enty.jp/blogs/89


お金関連にはとっても鈍感なノナプルナインでしたが、Entyへの登録そのものを思い立ったのは、単純にいろいろやってみようというとても気軽な考えからでした。
しかしまさか、ここまで悩み苦しむことになるなんて。


すうじ


いったい、何をどう悩み苦しんだのか。その軌跡をとくとご覧くださいませ。








【Entyと、どう付き合っていくべきか】


ノナプルナインではこれまで、ユーザーさんにあんまり負担をかけないように、という形で作品を届けようとしてきました。



●2015年の夏コミでは、DVDトールケース入りのパッケージ版を無料で配りまくったり。

●同年の冬コミでは、新作をクリアファイルつきで500円という赤字沸騰価格にしてみたり。

●無料で公開している体験版にしても、一般的な体験版にはあるまじきボリュームで遊べてしまうものだったりします。



ノナプルの開発方針は、「あまりお金をかけず、そのぶん工夫と情熱をたっぷりかける」というもの。

でも、もちろんそれとて万能ではありません。また特にイベント参加や物理的なモノを作るのにかかる費用については、工夫と情熱でできることにも限界があったりします。



ユーザーさんには、あまり負担をかけたくない。
でも、まさしくそのユーザーさんにより楽しんでいただくために、そして新しいこと・面白いことにチャレンジするというノナプルナインの本分のためには、やはり先立つものが必要。



むむむむむむむむむ……悩ましい!


死を覚悟


気軽に始めようと思ったものの(そしておそらく運営サイドも気軽に始めてほしいのでしょうけど)、コレってそんなに気軽にクリアできる問題じゃないぞ……!






【皆が楽しくなれるEnty支援のカタチとは?】


もし自分が支援する立場だったら、「支援してよかったなあ」と思えるのはどんなときだろう。まずは本気で、そこを考えてみることにしました。



「支援した分、イラストが見られたり、もらえるモノがあったりする」

イラストレーターさんなんかの多くは、このスタイルをとっているようです。資金援助に対する物理的なバック。とてもわかりやすいですよね。



だけどゲーム開発者の場合、支援者専用に新たに絵を描いたりしてたら、肝心の開発に手が回らなくなってしまう……!?



うしろ



実はこのあたりは、Entyの運営さんも答えをお持ちのようで。

「ゲーム開発者の場合は、制作途中段階のラフ絵やアルファ版ゲームを公開することで、支援者へのお礼とする形がオススメ」というアドバイスを、運営さんから直々にいただくことができました。



ただね……
アクションゲームなどであれば、途中のバージョンを遊べるというのも大きな魅力なのですが。



ノナプルナインのようなゲームの場合、途中のものを遊んでもらうっていうのは、中途半端なネタバレに直結してしまいます。

「物語」がウリのゲームは、こういうところでも身動きがとりにくい。


ピンチ


うーむむ。ストーリー重視のゲームでも、ユーザーさんに「支援の手ごたえ」を実感してもらえる方法は、何かないものだろうか……。



そこで、ノナプルナインは考えました!



ノナプルナインの開発史を振り返ってみると、それは大きなチャレンジの連続。
あらたなことに挑戦して、そのたびにゲームがドンとグレードアップする……ということを繰り返してきたんです。


例えば、新しい表現のためのオリジナルのスクリプトエンジンの開発。
例えば、天門さんに作曲を依頼したこと。
例えば、最初は声なしだったノナプルナインに、ボイスをつけてみたこと。
例えば、実写ベースのPV作りに挑戦してみたこと。



こういう、ゲームのグレードそのものを「ポン!」とひとつ上に跳ね上げるような、面白い挑戦。
これに成功したときというのは、そりゃもう嬉しくて、思わずテンションが上がって雄叫びを上げたくなるものだったりします。



……これ、ユーザーさんと共有できたら、楽しいんじゃないの?



こういう「ひとつの挑戦」に着目すれば、必ずしもゲーム自体の完成を長期的に待つ必要はありません。数ヶ月ぐらいで、しっかりと成果が出たりもします。

そこにEntyでいただいた支援を投入すれば、「支援のおかげでコレが実現したよ!」というのが、短いスパンでハッキリと目に見えるようになります。



例えば現在のノナプル開発チームは、「PV第2弾」の制作に取り組んでいます。
大好評だった第1弾PVに気をよくして、今回はアニメを中心に据えた計画を進めているのです。



《ちなみに第1弾PVはコチラ!》





そして第2弾PVは、こんな感じのものを作っています!




アニメ系画像まとめ

Anime_guide.gif

この↑↑↑のガイドのラフが、今は↓↓↓のクォリティで動いちゃってます!

Anime_guide.png




支援をいただければ、PVのクォリティが目に見えて上がる。
しかも、それが数ヶ月後には実際に確認できちゃう。


●数ヶ月程度の比較的短いペースで、成果をしっかり手にできる!
●自分の支援によって、何がどう良くなったのかが、目に見えてわかる!



これを「支援の手ごたえ」と呼ばずして何と言う!



もちろん、PVの完成後にも、皆さんをびっくりさせるような挑戦をいくつも考えています。

何と言っても、創意工夫と挑戦こそがノナプルナインの信条ですからね。

支援をお願いするからには、「支援した甲斐があったぜ!」と思っていただけるよう、ちょっと他とは違うタイプの努力をしていっちゃいますよ!



支援者限定記事では、新しい挑戦の数々についても水面下のうちから明かしていっちゃうつもりです。
認知度向上のための戦略など、外には出せない考えなども、あけっぴろげに書いていこうかなと。



セクシー



実際に、そのあたりの話をギュッとまとめたEntyのページはこちらです。
PVの話は、ページのずーっと下のほうにあります。
けっこうこだわって作ったノナプルのEntyページ、他のクリエイターさんとも比較してみてください。


【Enty:ノナプルナイン】







【同人・インディーズゲーム開発者全体に、利益を還元できないか?】


……と、ここまでは、ノナプルナインのファンの方のみに向けてのお話です。
ここで終わらず、もっと先へ行きたがるのがウチらしさ、とでも言いましょうか。


同人・インディーズゲーム界隈には、作品のアピールや広報活動の方法に、まだこれといったセオリーがない状況です。
商業と同じ手法が活かせる場面もあれば、そうでない場面もありますよね。

多くのユーザーさんに作品を届けたいと考えている開発者たちが、皆それぞれに五里霧中で暗中模索してる、というのが実情です。


ザ・ワールド



そこで!
ノナプルナインでは、支援で得たお金を、熟考の上でいろいろな試行錯誤と実践に使っていきます。


そして、何が有効だったか、あるいは失敗の原因は何だったかを分析し、ノウハウとして蓄積。それを、できるだけ同業のインディーズゲーム開発者に還元していくことを約束します。



仮にノナプルナイン1作だけが成功したとしても、インディーズゲーム全体が縮小してしまえば、後が続かないでしょう。私たちはそのような短期的・小スケールの繁栄よりも、積極的にノウハウを共有し、みんなで一緒にパワーアップすることこそが大事だと考えます。

日本のインディーズゲーム界全体として、すぐれた作品をすぐれたプロモーション手法で次々に生み出し、界隈全体を活性化させた方が、みんなが得できます(もちろん、ウチだって得するわけです)。



パワーアップ



すでに数回、同人ゲーム開発者同士の交流会などで、普段の広報活動やイベントでの試みの成果などをプレゼンし、好評を得ました。

こうしたことを積極的に続けつつ、内容はブログ記事としても公開していくつもりです。



Entyの投稿記事として、このへんの話を初見の方にもわかりやすくなるようにまとめました。
実は、デフォルメのかわいいノナプルキャラたちも見どころですw


【Enty:ノナプルナインの投稿 なぜ支援が必要なの?】


さて。
そうは言ってもまあ、支援なんぞお願いするからには、メリットをできるだけ多くの人に還元するのは当然の話なんですよね。

真の問題は、真の恐怖は、もっと根源的なところにあったのだ……!






【苦悩の軌跡】


実はですね。
ものすごーく手の込んだEnty用のトップページを作りながら、ずーっとずーっと悩んでたことがあるんですよ。



EntyやPatreonのようなパトロンサービスは、一見すると「応援したい気持ちをお金に換算してクリエイターに還元するサービス」のように見えてしまいます。

いや実際、知らない人に説明する時には、そんな風に言うのが一番わかりやすいかもしれません。



でも。……でもね。
ここには、甚大に過ぎる罠が隠されているのだ。


アイス?


だってさ。
「応援したいという気持ちが強いからお金をたくさん払う」というロジックを認めると、「お金を払わない人は応援する気持ちが弱い」ってことになっちゃうでしょ?


私はこんなにお金を払っているのだから、お金を払っていないあなたよりもこの作品を愛しているのだ。
……こんな理屈がまかり通ってたまるか、と思いませんか?



わかっていただけるでしょうか、この気持ち。
しかもですよ。Entyを始めるということ自体、まるで開発サイドが「え? ウチのファンだって言いながら、お金は払ってくれないわけ?」って言ってるみたいに見えちゃいそうじゃないですか。



こういうのが、すっっっっっっっごくイヤだったんです。



金



何のために作品を作るのかという問いへの答えは、クリエイターのスタンスによって千差万別でしょうが、私たちの答えは至ってシンプル。

◆◆◆できるだけ多くのユーザーさんに、できるだけ大きな楽しみを届けたい◆◆◆

これが第一義ですし、この点が揺らぐことは今後もおそらくないでしょう。




グッズ制作の時にも少しお話ししたかもしれませんが、このブログを執筆しているノナプルナインのシナリオライターは、普段からあまりグッズや関連商品にお金をかけるほうではありません。

でもだからと言って、作品への愛が弱いわけでは断じてない!

好きな本や映画は何十回でも見直しましたし、ゲームも何度も繰り返して、徹底的にやり込んで遊びました。
こういうのって、ゲームに限らず何か好きなものを持っている人間なら、きっと体験したことがあるはずです。




ゲーム愛は、お金だけじゃない。作品への愛は、お金だけじゃない。



そういう想いがあったからこそ、一見「愛を金銭という形で数値化する」システムに見えるこのサービスに、抵抗を感じてしまったのかもしれません。



ゲーム愛



「じゃあやるなよ」というツッコミは一見ごもっともなのですが、開発を継続し次へつなぐ……というサイクルを回していけなければ、さっきデカデカと書いたばかりの第一義が、真っ先に立ちゆかなくなってしまう。

火を見るよりも自明なことを言いますが、楽しんでもらえるものを作るには、楽しんでもらえるものを作るだけの資金が、やはり必要なのです。



理想と現実の狭間。いやもうこれね、本当に悩みに悩みまして。



現実Aと現実Bの狭間の問題であれば、何とかなるんですよね。

ノナプルの開発の途上でも、すでに何度も「コレ、もうダメなんじゃね?」というような苦難に出会いました。
だけど、しっかり情報収集して分析して計算して熟考すれば、落としどころって意外に見つかるもの。

でも、今回はそう簡単にはいきません。対立項の片方が、理想であり信念なんですから。



決して曲げたくない信念と、どう見ても曲げられない現実。
開発の途上で襲いかかってくる、現実ベースの問題解決力でどうにかなるヤツらとは、ちょっとタイプの異なる敵です。


なんつーのかな。
こう、地上に下りてガチってこないで、延々遠くから魔法攻撃とかザコ召喚とかばっかりしてくるような、すごーくイヤらしい中ボス、みたいな。

Entyのためにものすごい時間と労力をかけて、見栄えのするトップページを作ったのですが、もう全部消してなかったことにしようかな、とも思ったのです。



本気




だけどそれでも、けっきょく解決のためのヒントを与えてくれたのは、ユーザーの皆さんでした。

以下、ユーザーさんから実際にいただいたご意見を、いくつか紹介します。





●「開発側がユーザーに負担をかけたくないという気持ちを持っているなら、ユーザー側はお前らを応援したいという気持ちを持っているんです。その想いも汲んでほしいな」(要約)


●「同人の適正価格とは、作り手がこれだと決めた値段だと思っています。安くして広めようとするのも戦略ですが、それで苦しくなるようでは本末転倒なんじゃ?」(要約)


●「お金を払う=マイナスとばかり考えているようだが、応援できる機会を設けてくれればむしろユーザーとしては嬉しいということもある」(要約)


●「開発は、自分たちが無理をせず、きちんと完成までこぎつけられる環境を作れることを第一に考えてほしいと思います」(要約)


●「私はアラブで油田を掘り当てたので、その程度の負担など痛くもかゆくもない。よって貴様の悩みは無意味だ」(捏造)






いやホント、一時それでかなーり悩み苦しんでいたので、こうしたユーザーの皆さんの言葉には大きな励ましをいただきました。どうもありがとうございました!

また、思ってはいたけど実際にメッセージまでは送らなかったというそこのアナタ。もちろん、今初めて知ったけど確かにそう思うわ、みたいなアナタも、どうもありがとうございます!


感謝


やっぱり、間違ってはいませんでした。

「好きだ」「応援したい」という気持ちそのものは、定量化不可能なのです。

……少なくとも、現在の科学では。




これ、Entyのトップページにも書いたのですが。


ノナプルナインは、約束します。
支援をしてくださったかどうかで、私たち開発チームからの皆さまに対する感謝の度合いが変わることは一切ありません。
支援しないからファンじゃないとか、支援したから偉いんだとか、そういうことはまったくないのです。


ご支援は、ホントに無理のない範囲でお願いします。


「支援してほしいのかほしくないのか、どっちじゃい!」みたいなことになってますが、これが紛う方なき本心というやつなのです。いつの時代も、オトメ心は複雑なのです。



目立つ



ただ、現実に「それでもなお、お前らを支援してやるぜ!」という方々がいてくれる。


開発サイドとしてその気持ちに応える方法があるとすれば、それはお金に関してとやかく言うことなんかではなく、ただひたすら良いものを作って「作品で応える」ということだけなんじゃないだろうか。



……これが、悩み抜いた末に至った結論です。
悩んだ割にはフツーの結論だな、と思われるかもしれませんが、深く深く悩んだ分、結論の正しさには大きな自信が持てたと思っています。

金銭的なご支援をお願いすることに、後ろめたさを感じるのはやめました。その分、それをいい意味でのプレッシャーに変えて、自分を律しながら最高の作品を作るためのエネルギーに変えていきます。



そして支援してくださった方に関しては、「支援した甲斐があったぜ!」と思っていただけるよう、全開で努力します。
そのために具体的な方法論は、すでに述べた通り。一味違う「支援者体験」を味わわせてみせますよ!



……とまあ、この超長文でだいたい考えはお話しできたことと思いますが、それをゲーム紹介とともに簡潔にまとめたのが、こちらです。
ご興味を持ってくださった方は、ご支援を検討していただけるととても嬉しいです。

よろしくお願いいたします!


【Enty:ノナプルナイン】


【Enty:ノナプルナインの投稿 なぜ支援が必要なの?】



さてさて、今回の記事はこんなところです。
悩みぬいただけあって、ものすごい長文になってしまいました。



冒頭でも報告しました通り、コミティアで公開した最新の全年齢版が、Entyの支援者さま専用記事からダウンロードできるようになりました。


もちろんココからだけではなく、他のダウンロードサイトや通販などにも登録させていただくつもりです。
順次作業を進めていきますので、もう少々お待ちくださいませ。


それから、実はまだいくつかのビッグニュースが水面下で動いているのです。
こちらも、ある程度固まり次第、続けて報告していけると思います。乞うご期待!

これからも、ノナプルナインをよろしくお願いいたします!




 



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